エレクトーンELS上位モデルの鍵盤

子供の成長とエレクトーンの関係

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エレクトーンの多彩な音色とリズムや機能は、お子様の成長にも幅広い刺激を与えてくれます。この記事では、エレクトーンがお子様の成長にどんな影響や効果があるのかを取り上げます。

1. 聴覚的敏感性の向上

エレクトーンには、ピアノ、オルガン、弦楽器、金管や木管楽器、シンセサイザー、民族楽器、打楽器、人や動物の声など、さまざまな音色が内蔵されています。

子供達は、音色を選んだり使い分けたりすることで、音色や音質の違い、鳴り方の特徴など、様々な違いを認識する能力を高めていきます。

この「聴覚的敏感性」の向上は、音楽だけでなく、日常生活で様々な音声を認識する能力や、言語理解の能力向上にも関わります。

2. リズム感と時間感覚の発達

エレクトーンには、多種多様なリズム(打楽器)機能があり、様々な音楽ジャンルのリズムパターンや、独自に作ったリズムパターンを様々なテンポ(速さ)で鳴らすことができます。

様々なリズムパターンを様々なテンポで鳴らし、それを聴きながら演奏することで、リズム感が自然に育ち、弾いたり歌ったりするタイミングやテンポを掴む感覚が成長します。

リズム感が向上すると、協調運動(手指や足との連動性)も向上しやすくなります。リズムやテンポの感覚は、スポーツやダンスなど他の身体活動にも効果をもたらします。

3. 創造力と自己表現を促す

エレクトーンの多彩な音色とリズムは、子供たちが自分の感情やイメージ、アイデアを音楽で表現しようとする時にも大変役に立ちます。

音色を組み合わせて新しいサウンドを作り出したり、イメージに合うリズムパターンを探したり作ったりして、独自のサウンドを作ることができるので、自己表現の手段として効果的だからです。

こうしたサウンド作りや即興演奏などの創造的な活動は、右脳を活性化するので、柔軟な思考力を育むのにも役立ちます。

4. 感情の理解と共感力の向上

音楽には感情を表現する力があります。、音色やリズムパターンを自分の感情に合わせて作り、演奏することで、感情を引き出す効果もあります。

たとえば、悲しみを表現したくてオーボエの音色を選んだお子様は寂しそうな表情で弾きますし、強くてカッコいいイメージを表現したくてトランペットの音色を選んだお子様は凛々しい表情で弾いています。

音楽の世界を通じて、他者の感情を想像して弾いたり、理解したりすることで、共感力を育むことにも繋がります。

5. 集中力と記憶力の向上

エレクトーンの多様な機能を使いこなすためには、集中力と記憶力が必要です。

使いたい音色はどこにあるのか、音を変化させる設定はどこでするのか、変化させる弾き方はどうやるのか、設定や操作の方法を覚えておく必要があるからです。

演奏中に手動で音を変化させる場合は、弾きながら足や指で操作するので、集中力が必要です。長い曲の場合は、途中で途切れない集中力も必要です。

音色、設定、操作を覚え、1曲を途切れず通して練習することで、集中力や記憶力が強化されて行きます。こうした力は、学習能力全般の向上にも繋がります。

6. 協調性とチームワークの向上

エレクトーンは、他の楽器とのアンサンブル演奏を手軽に楽しめる楽器です。例えばオペラでは、オーケストラの代わりとして使われています。

アンサンブル演奏は、他のメンバーとタイミングを合わせて弾く必要があります。そのため、協調性やチームワークを育むのに役立ちます。このスキルは、社会生活や学校でのグループ活動でも大切になります。

7. 自信と達成感の向上

エレクトーンは編曲や作曲にも適した楽器です。自分のイメージを音楽にして、音色や機能を使いこなして演奏することで、自分だけの1作品を仕上げた達成感を感じることができます。

こうした達成感は、自己肯定感を高めて、他の挑戦に取り組む意欲を育てます。

最後に

エレクトーンは3段鍵盤なので、曲の構造(メロディー、和音、ベース)を学びやすい楽器として紹介されることがよくあります。ですが今回は、そうした音楽的な視点ではなく、別の角度から考察してみました。

教室で子供達の姿を見ても、エレクトーンは単なる楽器以上のものを子供たちに提供してくれていると感じています。


この記事について

この記事は、40年近い現場での指導経験と、音楽・指導法の研究、神経発達症(旧名称:発達障害)支援の研鑽、シンポジウム登壇とフィードバック、関連書籍からの情報を基にして書いています。記事の内容は私見であることをご了承ください。古い記事は適宜更新し、今お役に立つ記事を心がけています。プロフィール