幼児期は、音感トレーニングの最適期。聴覚が最も成長する重要な時期です。この記事では、そのスタート時となる2~3歳のプレクラスについて、レッスンとお家練習のヒントを詳しくご紹介します。
プレクラスで目指していること
目指していることは3つ
- 音楽や指示を聞く
- 集中力をつける
- レッスンルールを守る
音感トレーニングの最適期は、絶対音感を視野に入れた場合、聴覚の臨界期にある4~5歳です。
臨界期は人生に一度しかなく、しかも音感トレーニングには集中力が必要なので、集中して聞くことができるように、今のうちに下地を調えておくのです。
主な内容は音楽知育
- 音程の「高い・低い」を感じる
- 「みぎ・ひだり」がわかる
- テンポの「遅い・速い」を感じる
- 1から5までの数字が読める
- どれみふぁそらしど、と言える
- レッスンルールを知る
6番目のレッスンルールは、ご挨拶をする、先生の指示を聞く、先生の真似をする、レッスンバックから道具を出す、しまう、といったレッスンの基本動作を練習することです。
3歳の指導例
たくさんの項目がありますが、1つ1つは数分です。
- したく:バックから使うものを出す
- 始まりのうた:ごあいさつ、お返事
- 季節の歌
- 音楽に合わせて体や手指を動かす
- 先生の真似をしてミュージックベルを鳴らす
- 先生の真似をしてドレミを言う
- 音楽に合わせて打楽器や鍵盤楽器を鳴らす
- 幼児用教具:紐通し、ボタン、音列、数字、ひらがな、なぞり書き、塗り絵
- 終わりの歌:ごあいさつ
- したく:楽譜をバックにしまう、出席シールを貼る
2〜3歳児が集中できる時間はせいぜい3〜4分です。
ですから、飽きないように様々な方法で多感覚的にアプローチしながら、前述の、聞くこと、集中力をつけること、レッスンルールを守ることを目指しています。
子供達には「れっすんって、こういうことをするんだ」と知ってもらうことが第一歩。そこからゆっくり進みます。
人見知り・場所見知りが心配な時は
この年齢のお子様の中には、保護者様から離れられない場合もあります。
「自立を促すために親から離れて欲しい」と思われる保護者様もいらっしゃると思いますが、南福島ミュージックルームの場合、プレクラスは保護者同伴です。
お子様にとっては、初めての場所で、初めての大人と、初めてのことをたくさんするのですから、緊張するのは当たりまえです。
保護者様がそばにいる安心感から積極的になるお子様も多いですし、親子1組で取り組む内容もあります。
保護者様は、レッスンに参加することで、お子様がどんなことを練習しているのかを体感できます。また、他では見られないお子様の姿もご覧いただけると思います。
実際、体験レッスンやご入会後のアンケートでは「集中力がないので、こんなにしっかりレッスンを受けられるとは思わなかった」と言うご感想をたくさんいただきます。
それは、保護者様に出来たところを見せたいから。そのために、幼いながらも場の雰囲気の違いを感じ取って、先生の指示を集中して聞いてくれるのです。
自立してレッスンを受けられるようになるまでは、無理をさせず、お子様の歩幅に合わせてあげてください。
親は宿題に関わった方がいい?
お忙しい中でお子様の宿題まで見るのは大変なことです。ですが積極的に関わっていただきたいのです。
お子様から見れば、生まれて初めてのルールの中で、生まれて初めてのことをたくさん挑戦するわけです。しかも他所の大人が相手です。
お子様がリラックスしてレッスンに取り組むためにも、保護者様がレッスンとお子様の様子を知るためにも、レッスンでもお家練習でも、積極的に関わってください。
お家での進め方
- お風呂でお子様と一緒に手遊び歌(宿題)をする
- 毎日行っている歯磨きやお風呂とセットにして行う
- お子様と一緒に取り組む
- 親は子供に教えない
毎日の生活習慣と結びつけて行うことで、ルーティンができやすくなり、毎日練習の習慣づけに繋がります。
習慣づけは長くかかるものです。大人の都合で練習したりしなかったりすると、お子様も自分の気持ちや都合で練習しなくなりがちです。
ですから、保護者様も無理なく取り組める方法を見つけておきましょう。
毎日の練習時間は短く
お子様が集中できる時間は3〜4分なので、練習は短時間で切り上げたほうが効果的です。お子様が続けてやりたがる時は、自由にやらせてあげてください。
練習の頻度は、毎日が理想です。レッスンを毎週決まった曜日に決めておくと、週間ルーティンも作りやすくなります。
目的は、レッスンでやったことを思い出して、楽しむことです。お家練習で歌や手遊びが間違っていても、あまり気にしないでください。
親子一緒に毎日楽しむことを大切に取り組んでください。
レッスンから帰った日は必ず行う
レッスンから帰ったら、寝る前に思い出しをしてください。
鮮度が落ちないうちに思い出しておくのは、小学生から大人まで、強くお勧めしている方法です。
この年齢のお子様は、保育園で走り回って疲れていたり、眠かったり、風邪をひきやすかったり、体調の変化が大きくてお家練習ができない日もあると思います。
せめて、レッスンから帰った日は、一通り思い出しをさせてあげてください。
どんな先生が教えてるの?
その昔、大手教室が3歳児レッスンをスタートした年に、先駆けとなった年代の講師です。独立してからも幼児レッスンを続け、指導歴は40年近くになります。
プレクラスの指導カリキュラムは、これまでの経験と、担当した子供達と保護者様に教えていただいたことが土台になっています。
指導内容と指導力に偏りが生まれないように、現在も指導者協会に所属しながら、指導法研究や作編曲作品の発表を通じて研鑽しています。
生徒さんに還元する内容がより豊かなものになるよう、日々精進を続けています。