加筆修正:2023-10、2024-8
これからピアノ・エレクトーンのグレード(級)を受験してみたい、グレードに興味がある、という 大人の生徒さんに向けた記事です。合格した大人生徒さん達へのインタビューやもご紹介します。
グレード試験の内容は、大人も子供も同じです。お子様の受験をご検討中の保護者様も、お読みいただける内容になっています。
ヤマハグレードってなに?
ステップアップするための学習内容がわかります。
ヤマハグレードは、30を超える国と地域で実施されている音楽の検定試験です。対象は、音楽を学ぶ人すべて。つまり何歳からでも受験できます。グレードを通じて、
①初級から上級まであるので、段階を踏みながら進むことができます。
②ご自分の力量を客観的に確認することができます。
③さらに能力を伸ばすための学習内容が分かります。
級が欲しい!という方はもちろん、音楽力の健康診断としてもお勧めします。
ピアノやエレクトーン以外のグレードもある
今回はピアノとエレクトーンの演奏グレードについて書いていきますので、他の楽器や演奏以外のグレードについては、こちらの公式サイトへどうぞ。別タブで開きます。
初級は何級まで?中級、上級は?
前述のヤマハ公式サイトで、各グレードの特徴が紹介されています。
- 13〜11級・・鍵盤初期学習者
- 10〜6級・・・音楽学習者、趣味で楽しむ方
- 5〜3級・・・指導者を目指す方
- 2〜1級・・・より高い演奏力を目指す方
この記事では、学習者の方達が受験する13~6級をメインに取り上げます。
① 13〜11級:鍵盤初期学習者
普段のレッスンの延長のような内容です。このテキストでどんなことを学習してきたか、どんな力が身についたかを確認できます。
各テキストを修了したらぜひチャレンジしてみましょう。先生の自宅教室で受験できるケースもあります。
② 10〜6級:音楽学習者、趣味志向の方
10級〜8級は基礎的な内容
こちらはヤマハが定めている会場で受験します。13〜11級で培った土台に積み上げる、音楽の基礎的な内容です。
7~6級は学校入試や就職活動等でも活用できる
ヤマハでは、7級、6級は「長く継続した学習成果であり、学習者向けグレードとしては上級レベルに設定」としています。応用力と表現力が求められる級です。
取得した級の価値やレベルを知らない方達にも判りやすく伝えられるように、合格証書には「○級」だけでなく「上級」などのサブネームも入ります。
7級は「上級1認定」6級は「上級2認定」、受験したコースがAコースなら「演奏力上級◯認定」Bコースなら「総合演奏力上級◯認定」です。
詳しい名称はこちらからご覧ください。
「上級認定」の名称はこちら(ヤマハのサイトが開きます)
③ 5〜3級:指導者を目指す方
5級は数字だけ見ると6級の次ですが、まったく別の試験です。内容も科目も、試験の流れも、学習者グレードとは違います。
指導者を目指す方むけの内容ですが、もちろん趣味として弾く方も受験できます。より高い音楽力を目指す方にお勧めします。
目的に合わせてコースを選べる
演奏メインはAコース、総合学習ならBコース
ご自分の何の力を確認したいのかを考えてコースを決めましょう。聴音力や即興力?初見や演奏力?グレードは今後のステップアップのために必要な内容が分かるチャンスです。担当の先生とよくご相談して決めてくださいね。
何級から受け始めるかは、教室やコースによって違う。
ヤマハのグループレッスンや内部の個人レッスンは、コースによって受け始める級が決まっています。
当教室のように外部の教室は、コースの内容も原則は先生が決めるので、必ず13級から受けるとは決まっていません。
当教室の場合は、受験するかしないかも含めて、生徒様や保護者様のご希望にも寄り添う考え方です。
以下に各コースの受験科目と、練習に欠かせない問題集をご案内します。試験内容が改定されると問題集も変わりますので、お手元にある方は現行のものかを確認してください。
ピアノ演奏グレード Aコース
科目:自由曲、課題曲、初見演奏
初見演奏の問題集が市販されています。
ピアノ演奏グレード Bコース
科目:自由曲、初見演奏、伴奏付け/即興演奏、メロディー聴奏、ハーモニー聴奏
問題集には、自由曲以外の科目がすべて入っています。
エレクトーン演奏グレード Aコース
科目:自由曲、課題曲、自編曲
出題される問題はないので、問題集はありません。課題曲は指定された楽譜の中から選びます。先生しか注文できない専用教材と、ご自分で購入できる市販楽譜があります。画像はその例です。
エレクトーン演奏グレード Bコース
科目:自由曲、初見演奏、伴奏付け/即興演奏、メロディー聴奏、ハーモニー聴奏
問題集には、自由曲以外の科目がすべて入っています。
Bコース練習のヒント
7〜6級を見据えておく
学習者グレードBコースは、初見・聴奏・即興・楽曲演奏をフルで学習できるので、総合力をつけて、ステップアップしたい方にピッタリです。
8級から7級へ移る間に、即興演奏やアレンジ、表現技術の経験を1曲でも多く積みましょう。これはグレードの時だけ取り組むのではなく、普段の練習に組み込んで日常的に行います。
日常練習の冒頭は初見からスタートします。リーディング〜演奏を1曲。スケールカデンツはコード進行が偏らないように注意します。
6級では「創る・表現する」をさらに濃く学習しておきましょう。ここで上級の曲に挑戦できる分厚い土台を作っておくためです。
合格者インタビュー
働きながら受験したFさん
小学生の頃にヤマハでグループレッスンを受けていたFさんは、大人になってからエレクトーンを始めようと思い立ち、当教室にお入りになりました。
レッスンは15年ぶりですが、すでにエレクトーンは購入済みという意気込み。お忙しいお仕事と両立しながら、丁寧な練習を続けていらっしゃいました。
9〜8級の曲からスタートしたレッスンは、間もなく7級の曲に進み、ご自分のレパートリーがどんどん増えていきました。
この頃から、あちこちでボランティアの出張演奏もするようになりました。グレード受験のご希望をいただいたのは、その頃です。
7級Aコースからスタート
Fさんはすでに7級の曲を弾いていること、そしてお仕事がお忙しいことから、7級Aコースを選びました。
Aコースは科目が少ないので、演奏の練習に集中できます。ただ、受験科目に自編曲の演奏があるので、そこは初挑戦となりました。
結果、見事オールAで合格しました。
6級の受験を控えているFさんに、Q&Aをお願いしました。
Q : もうすぐ6級受験ですが、準備をする中で一番大変だったのは?
自編曲です。こんなアレンジにしたいというイメージは決まっていましたが、そのイメージを具体的に音にすることが大変でした。
弾いたものを音符にして書くことも難しかったです。書く作業は隙間時間を利用して、練習時間とは別にしました。
途中で諦めかけた時もありましたが、アレンジが完成して、通して弾けるようになると楽しくなりました。
Q : 自宅練習で気をつけているポイントは?
まず楽譜を正確に読んで弾くように注意しています。
レッスンでは、楽譜には書かれていない表現上のポイントがたくさん出るので、必ずメモをして、家で練習するときに意識して弾いています。
Q : お仕事と両立できる自宅練習のペースとポイントは?
レッスンはだいたい隔週で受けているので、家で練習する日数は2週間あります。
仕事が忙しくなると1週間くらい弾けないこともあるので、残りの1週間は集中して練習します。1日の練習時間は少ない日で30分、長い日で1時間です。
両立のポイントは、お風呂の前に弾く、というルーティンを決めていることです。
それと、その日の気分に合わせて、練習している曲とは別に「お気に入り」を練習の前や最後に弾いています。練習がうまくいかなかった日は、その曲を最後に弾いて、気持ち良く終われるようにしています(笑)
2年後には6級も合格!
7級を合格した翌々年、Fさんは6級にも合格しました。ボランティア演奏にも引っ張りだこで、お仕事との両立に活き活きした毎日を送っていらっしゃいます。
グレードに挑戦したナマの声はいかがでしたか?
グレードは「級」という形に残しながら次のステップに進むことができるので、ハッキリした目標を持ちたい!という方には特にお勧めします。
充実感、達成感いっぱいの合格証を手にしてくださいね。